※2018年6月15日に見やすくリライトしました
今日は、文法書や辞書の用法、実際の使われ方から分析した私の勝手な「名詞の数えられるか、数えられないか」を紹介したいと思います。
私の勝手な分類ですが、特に目新しい分類!というわけではなくて、文法書に言葉や絵を足してイメージしやすくする、といったものです。
それでも、私の想像も幾分入っていますので「いや、違うだろ!」という部分もあるかもしれませんが、まだ研究中ですのでご容赦ください。
ではどうぞ~。
とりあえず、数えられない名詞ってものを分類してみます。
数えられない名詞(不可算名詞)
基本的なイメージはモヤっとしてること。
モヤっとしているから数えられないんですよね。
では、不可算名詞達がどんな風にモヤっているのか、分類してみましょう。
①形が無い
まず、これは簡単ですね。液体とか、ベチャッとしてるもの。気体。光。など
snow 雪
rain 雨
petrol ガソリン
coffee コーヒー
yoghurt ヨーグルト
light 光
air 空気
など
coffee
※お店でコーヒーを買う時などは two coffees というように数えられる名詞のように使われますね。容器に入っていて形がはっきりして2つ、と数えられますからね。(two cups of coffee が正式な言い方ですが)。
例)We ordered two coffees.
私達はコーヒーを二つ注文した。
yoghurt
種類が色々あってそれを表したい時は 複数形を使います。yoghurts となります。
例)There aren't any yoghurts in the fridge.
冷蔵庫にヨーグルトが(どの種類も)ない。
うん。種類の話する時はいかにも数えられそうな感じだよね。
light
「光、光線」を表す時は数えられませんが、「光源としての明かり」を表す時は数えられます。
うん。数えられないわ。
うん。数えられるわ。
air
「空気」を表すときは数えられません。「様子、雰囲気」を表す時は数えられます。
「空気」が数えられるわけねーな。
お!数えられそう!
「雰囲気」とすると、「その周りにまとわりついた一定のモノ」感が出ますね。
例)She has an air of mystery.
彼女は謎めいた様子をしている。
②材料 ・金属
これも分かりやすいですね。材料になるものは、それがこの先どんな形になるのかは色々ですから。加工によっていかようにもなるので、材料・金属の段階ではコレ!というイメージを抱けない。ですよね。だから数えられない。
silver 銀
wood 材木
iron 鉄
paper 紙
stone 石
など
※当然、「材料」として文の中で使われている時だけです!
paper
「新聞、論文」などの意味で使われている時は数えられます。
例)I bought a morning paper at the station.
(駅で朝刊を一部買った。)
wood
「森、林」の意味で使われている時は数えられます。しかも、普通に考えてwoodがいっぱい集まって出来るのが「森、林」ですので、基本的には woods と複数形で使われる事が多いです。
例)Let's go for a walk today in the woods.
( 今日は森の中を散歩しましょう。)
また「材木」の意味で使われている時も、その材木の種類の話をしたい時は数えられます。
例)various woods 色々な種類の材木
Elm is an elastic wood. 楡は弾性に富む木材である
③ワーって集まってナンボ
一つ一つ数えられなくもないが「ワーって集まってナンボ」なので数えない。
rice 米
pasta パスタ
corn とうもろこし
hair 髪
など
pasta
パスタは数えられないけど、パスタ料理は数えられます。
数えられない。てか数えたくない。
数えられる!
例) I had a wonderful pasta dish yesterday.
私は昨日素晴らしいパスタ料理(ひと皿)を食べた。
hair
hair 髪は1本1本を意識して使う時は数えられます。
例)He pulled out two white hairs.
(彼は白髪を二本抜いた。)
毛関係の話は過去記事で詳しく書いてます。
④小さなパーツから作られてる
葉っぱが集まって出来ていたり、小さなパーツが集まって出来ていたり、そんなものは数えないようですよ!
cabbage キャベツ
spinach ほうれん草
broccoli ブロッコリー
など
※この話をすると「玉ねぎだって小さなパーツで出来てるじゃん!」とよく言われるのですが、 onion は数えられる名詞です。私が思うに、皮がある事で一応一つにまとまってる所がポイントなんじゃないかと。でもそうすると「garlic(ニンニク)だって皮があって一つにまとまってるじゃん!」と言われちゃうんですよね。ぎゃうぅ。garlicは数えられない名詞なんですよねー。これは、やっぱりアレですよ!皮があって一つにまとまってるけどさ、もうね、小さなパーツで出来てることが皮の外からもバレバレだからさ!隠しきれてないんだよパーツ感が!!(知らんけど)
野菜の話は過去記事で詳しく書いています
⑤いろんな形になりそう
例えば「meat 肉」といって想像する形は、人それぞれですよね。「bread 食パン」などは作る容器によって形が違ったりもします。一定の形が思い浮かばない。のが数えられないポイントでしょうね。
meat 肉
cheese チーズ
chocolate チョコレート
bread 食パン
など
※いずれも「種類」の話の時は数えられます。

何となく、可算、不可算の傾向が見えてきたかな?
⑥雑多に色々入っている
例えば 「baggage 手荷物」というと、bag(カバン) かもしれないし、suitcase(スーツケース) かもしれないし、rucksack (リュック)かもしれない。baggage という言葉が表すものは雑多なものの寄り集まりですよね。やはり一定の形らしきものがイメージできないわけです。
furniture 家具
jewelry 宝石類
money お金
fruit フルーツ
food 食べ物
など
ゴチャってるから数えられない
※ fruit や food など、種類に重点を置くときは、もちろん数えられます。
しかし、ここで疑問なのは
vegetable 野菜
という単語。これは、数えられる名詞なんですよね。
納得いかねぇ!!!
この法則からいくと数えられないはずなんだが!?(笑)
まあ、でも仕方ない。vegetableはなぜか数えられるらしい!
ですので
「新鮮な果物と野菜」
なんてフレーズを英語にしようとすると
fresh fruit and vegetables
というふうにvegetableの方だけ複数形になったりします。
これは、普通名詞を「全般的なもの」として扱う場合は複数形にする、という決まりからvegetableの方が複数形になったものと思われます。
でも
「人参は野菜であり、果物ではない」
なんて時は
The carrot is a vegetable, not a fruit.
と両方に a がついたりします。
これは、「種類」に焦点をあてた話題だからで、数えられないはずの fruit が数えられる扱いになっているものと思われます。
あー! vegetable よ!
なんで君は数えられるんだー!
⑦そもそも概念でありモノじゃない
「幸せ」「愛」「難しさ」など、モノじゃないので数えようとはあまり思いませんね。なので数えられないことに異論はない。
でもこの場合は、「数えないはずなのに数えてるじゃないか!」というパターンがあるので、ちょっとビックリしますよね。
beauty 美しさ
friendship 友情
fun 楽しみ
happiness 幸せ
kindness 優しさ
difficulty 難しさ
など
kindness
「優しさ、親切心」などは数えられませんが、「親切な行為」は数えられます。
数えられませんね。気持ち的なものは。
「親切な行為」は1つずつ数えられそうです。
さあ「親切な行為」一つずつ受け取り給えよ!っていう親切の押し売りみたいな挿絵になっていますね。
例)Thank you for all your many kindnesses back then.
その節は、なにかとお世話になりました。
difficulty
「困ったことがある」という場合、「なんか困った状況なんだよねぇ!」という時と「あれと、これと、それと、困った事が山積みだ!」というパターンがありますよね。そんな時に数えられるか、数えられないか使い分けたりできます。
漠然と困難だな~~な状況
例)I have much difficulty in studying English.
(英語の勉強にとても苦労している)
とにかく英語の勉強しんどいんだよう!の状況。
あれも、これも、具体的に困難な事が思い浮かんでいる
例)I have many difficulties at school.
(私は学校で色々問題を抱えている。)
イジメとか、先生が嫌いとか、勉強が分からんとか、部活がキツイとか。。。問題山積みの状況。
⑧「情報」系
情報系の名詞は、一見数えられそうですよね~。news(ニュース)なんて特に、あのニュース、このニュース、と分けて数えられそうです。でも数えない。。。
恐らくネイティブの頭の中では「情報系は区切れない!」ってなっているんじゃないかな。
information 情報
news ニュース
knowledge 知識
advice 忠告
など
「情報」は、あんな事、そんな事が、つながりあっている。
そういうイメージなんじゃないかな。
一つずつ箇条書き出来るようで、出来ない。
だって、点と点がつながって情報全体だから。
こんな感じじゃないかと。やっぱ数えられない。
「knowledge 知識」「advice 忠告」「news ニュース」どれも似たようにイメージしてるんじゃないかなーと思っています。
オマケ
work とjob
workとjob どちらも「仕事」と訳せますね。
でも、「仕事」という意味で、 work は不可算名詞、 job は可算名詞です。
これは、やっぱりイメージしている「仕事」の形態が違うんでしょうね。
日本語にしたら「同じ意味じゃないか!」という単語たちでも、ネイティブの中ではイメージが違う事があるんですね。なので、そんな時は、「なんでこっちが数えられて、こっちが数えられないんだ!!」と憤慨せずに「そうかこっちの単語はネイティブ的には抽象的なイメージなんだな。こっちはもっと具体的なんだな。」と思っておきましょう。
まとめ
名詞に可算、不可算がある。
1つの単語なのに可算で使われたり、不可算でつかわれたりする。
同じ意味の単語なのに可算だったり不可算だったりする。
というのはネイティブ的には、ただ
モヤってるものと、そうでないものを区別してるだけ
っていうことなんでしょうねえ。
傍から見てると、ひどくヤヤコシクなってるじゃないか!ですけどね。
いやあ。面白い。
これからも、名詞の使われ方に目を光らせながら、ネイティブの脳内を探索していきたいと思います(^O^)
※参考
ロイヤル英文法
ジーニアス総合英語
総合英語Forest
一億人の英文法
ジーニアス英和大辞典
ランダムハウス英和大辞典