日本語に、丁寧語、謙譲語、尊敬語、など敬語が色々あるように、英語にも「丁寧さ」「控えめ」を表す表現は色々あります。今日は、そんな表現を見てみましょう。
- ①「相手の意志や可能性を聞く」という配慮をみせる: will / can
- ②クッションをおく:wonder / think / hope など
- ③一歩ひく:過去形
- ④今ちょっと思ってるだけです:進行形
- ⑤仮定しているだけです:仮定法
- まとめ
- オマケ
Help me!(助けて!)は、とても直接的な命令文ですよね。ここに「丁寧」はひとかけらもない!そこに please をつけて Please help me! とすると、ちょっと丁寧さが出ますよね。でも、まだまだ「命令文」の枠は出ていません。では、更に丁寧さをだすにはどうしたら良いのでしょう。
①「相手の意志や可能性を聞く」という配慮をみせる: will / can
命令文には、相手の事を慮る要素はゼロです。だから丁寧じゃない。でも、「相手にお伺いをたてる」とそこには丁寧さが加わります。
Will you help me? (私を助ける意志はありますか?)
Can you help me?(私を助けるという状況にありますか?)
このようにすると、命令じゃないですよね、もう。だからちょっと丁寧さが出ます。
因みに will you~? と can you~? どっちが丁寧だと思いますか?これは、can you ~?の方が丁寧、と言われています。will で「意志」をたずねられると、断りにくいですもんね。can で「状況的に可能かどうか」をたずねられると、「あー、ごめん!今はちょっと無理なんだ、状況的に!助けたいんだけどね!」と断りやすい。相手が断りやすいように尋ねるっていう事は相手への配慮が感じられるし、控えめな態度につながりますよね。
これを否定の形にして更に控えめさを加えることもできます
Won't you help me? (助けてくれるなんてダメかしら)
ダメだと分かってるけど一応聞くね。って感じが出ます。
※私個人の感覚では「ダメだよね?」って聞かれるとイラっとしますけどね(^O^)
でも、まだまだ「ザ・丁寧」には程遠い表現です。命令文よりは進化した!ぐらいでしょうか。
②クッションをおく:wonder / think / hope など
直接「お願い」を述べるのではなく、クッションをおく言葉を入れると、これまた丁寧になります。wonder (あれこれ思いを巡らす) think(思う)hope(望む)という文言を足すと「そのお願いを心で思ってるだけなんだけどね。」という風にお願いの生々しさをオブラートに包むことができます。
I wonder if you can help me.(あなたが手伝ってくれる状況にあるかしらって思ってるの)
Do you think you can help me? (私を手伝える状況にあるって思う?)
I hope you can help me. (あなたが手伝ってくれる状況にあるといいなあ。)
オブラートにくるまれますね。
③一歩ひく:過去形
時制を変えることで「一歩引いている態度」を出すこともできます。現在形は、やっぱりお願いがリアルなんですよね。でも過去形にすると、スっと一歩引いて「リアルな世界」から遠ざかった感じになります。
Would you help me?(will→would)
手伝ってくれる意志がある感じですか?
Could you help me? (can→could)
手伝ってくれる状況にある感じですか?
I wondered if you could help me. (wonder→wondered / can→could)
I hoped you could help me.(hope→hoped / can→could)
手伝ってくれる環境にある感じだといいなあと思うのですが
だいぶ、丁寧な感じになってます!
過去形ですけど、過去の意味はここにはありません。現実から一歩引いている雰囲気を出しているだけです。
possibly (ひょっとしたら)なんていう単語を付け加えるのもアリです。可能性がもしもあるなら!って感じです。
Could you possibly help me? (ひょっとして手伝ってもらえる状況だったりします?)
【ちょっと高度な表現】
mind (気にする)という単語を使うのも良いです。相手の気持ちを考えて「嫌なら言ってね!」というニュアンスが出る、とても丁寧な響き。
Would you mind helping me? (私を手伝うことに関して気になさいますか?)
このmindを使った表現は、相手に「嫌」かどうかを尋ねる形ですので、それに答えるときには
●手伝ってあげるよ!って答えるとき→No, not at all.など (気にしないよ→手伝うよ)
●手伝えないよ!って答えるとき→Sorry.+理由(I have no time today.) など(Yes で答えると、ちょっとあたりが強いです笑。「気にするわ!」って答えることになるので)
※mind を使う文は特別な形を何個か把握しないといけないし、答え方も特殊なので、ちょっと使い辛いかな。でも、会話で普通に使うフレーズで、使えるとすっごく大人の会話って感じになります。
④今ちょっと思ってるだけです:進行形
進行形を使うと「今、ちょこっと、思ってるだけなんだけどね」というニュアンスが出ます。普段から思ってるわけじゃないのよ、今!今ちょっと思ってるだけよ!の感覚です。
I am wondering if you can help me.
(手伝ってくれる状況かなーって今ちょっと思ってるんだ)
さきほどの、過去形との合わせ技にすると
I was wondering if you could help me.
(手伝ってくれたりする状況だったりするかしらってちょっと思っているのですけど)
ここまでくると、かなーーり丁寧!!
⑤仮定しているだけです:仮定法
仮定法を使うと、「実際お願いしているわけではなく、お願いできるのかなって仮定してるだけよ」感が出ます。実際お願いしているわけじゃないの!の気持ちが出せるので、やっぱり控えめになります。
It would be nice if you could help me.
(もしあなたが手伝ってくれる状況にあったら、いいのになー)
まとめ
「お願いする文」を丁寧にする場合、その「お願い」がどれだけリアルじゃなくなるかが肝心ってことですね。一歩下がる、とか、オブラートにつつむ、ような役割を果たす表現を使うと良いって事ですね。
オマケ
「お願い」の文ではありませんが、相手の予定や計画を聞く時などに、丁寧に聞く方法もあります。使う形は「未来進行形」。
Will you be coming here tomorow?
明日ここに来ることになってる感じですか?
未来進行形は、相手の意志に踏み込むことなく、「状況としてそうなることになっている」というニュアンスを持っているので、相手のエリアにズカズカ入って行かないという控えめな態度を示せます。
未来進行形については詳しくはこちらで