毎日暑いので涼しくなれる3曲を。
ショスタコーヴィチだけ納得できねぇ!という声が聞こえてきそうですが。
とりあえず夏にオススメの3曲(涼→冷→寒)です。
※音から感じるイメージです。
ショパン
12の練習曲
作品25 第1番
出だしから水の中で泡に包まれているよう。水色の世界。
水の中で自由に泳ぎ回って気持ちいいよう~。となる曲。
あちらへこちらへサラサラと流れていく「泡」を表現している部分の音が実に美しく、その音たちに身を任せて水色の世界を楽しむのが最高。これ、弾くのめっちゃ難しいんだろうな~。このサラサラがボコボコにならずに弾けるようになるのに一体どれくらいかかるんだろう。私は、あまり崩しすぎず、流れすぎず、形を残しながらサラサラしてるマウリッツィオ ポリーニの演奏が大好きです。ショパンのピアノ曲は、こういったサラサラ系が結構あるから色々聴いてみてくださいね。でも、逆に、情熱的な激アツな曲も結構あるのでオイオイ暑いわ!となる可能性もありますけどね。でもこのシャレオツなだけじゃない、無骨さが垣間見える所がショパン良さだよなーと思ってます。大好きです♥
シベリウス
交響曲第六番
とにかく、なんかわからんけど、音が北国!!
なんでこんなにヒューっとした北国の風のような音になるんでしょう?
弦楽器の音だけで、雪国を表現するシベリウス。さすが北のおじいちゃん!(←私が勝手に命名)出だし数秒で雪にうもれた北国に連れて行ってくれます。アナ雪のエルサが作り出したような雪国です。
音が増えてくると色々な景色が見えてきます。
フルートの音色の透き通り加減がまた凄い。冷たくて可愛い音。雪の中をピョンピョン飛び跳ねる雪うさぎのよう。
オーボエは寒い世界で小さな希望のような暖かさを感じさせます。冬景色にさす薄日。
ハープがめちゃんこ美しい!粉雪が薄い陽の光にあたって一瞬虹色になるようにパアッと彩を添えています。
基本的に高めの音が多い中で、たまに入る低音とパーカッションの効果も絶大。その瞬間だけ曲が重厚になり、ブワッと今まで忘れてた人間の世界に連れ戻される気がします。(基本的にこの曲は人間の影が見えにくい曲だと思ってます。自然界の曲というか。)
盛り上がるところが随所にありますが、熱くなる!というより猛吹雪になる!!という感じ。
夏に聴くのにピッタリでしょう!?
ショスタコーヴィチ
交響曲第12番
こちらは、涼しくなるというより薄ら寒くなるという曲です。夏のおばけ屋敷的な感じです。とにかく出だしから、私は背筋が凍りまくって冷や汗かき通しです。最初からとても印象的な暗めの和音なのですが、その雰囲気のまま、たまにピエロのようなおどけた音が入りながら(これが余計怖い。ピエロって怖いでしょう?)ジリジリ追い詰められて涙目になって震えます。もう3分くらいで既に頂点を迎え、かたまってしまいます。それから静かなところがあるんですが、ここがまた怖い。(えーん。)美しいんです。とても美しくて涙が出る。なんか、この美しさをどう捉えたらいいのか分からなくて、固まりながらブルブル震えるんです。そのあとは、うねりながら、ドンドンまた黒い塊が大きくなるみたいな感じになるので、更にこわい。涙目。呼吸をするのを忘れて苦しくなります。二回目の頂点辺りでは、悲しくて膝を抱えて顔を膝に埋めて小さくなってしまいます。なんだか「怖い」し「悲しい」んです。中盤、静かな所が結構長く続くんですが、ここで前半かいた冷や汗がスーっと冷えていって更に寒くなります。最後、これでもかー!!!!!というドンチャン騒ぎがあるのですが、それが逆にうすら寂しい。とってもカッコイイんです!!キターーー!!て感じです。でも何だか怒りのような嘲笑のような響きに聴こえるんです。心にすきま風が吹きこんでくるようで寂しくて悲しいです。終わったあとはしばらく呆然として動けません。はー。今、これを書くために聴いていたのですが、やっぱり凄い曲だった。ショスタコーヴィチだけ涼しさの種類が違いますが(笑)寒くなるかどうかは別としても(?)とても迫力のある1曲なのでぜひ聴いてみてくださいね!