前回は数えられない野菜の話をしましたが、今回は英語圏の人々の「毛」に関する思考回路に思いを巡らせてみたいと思います。毛関連の言葉も、結構、数えられたり数えられなかったり面白いです。
hair 毛
髪の毛全体、や 体毛全体、の話をする時
→ 数えられない名詞
毛(体から抜けて、どっかに落ちてる毛。毛(1本1本)に焦点があたってる時)
→ 数えられる名詞
うん。何となく分かるよ。体に生えてる時はワサーってしてるし、数が多すぎるし、「数えられる気がしねえ!」から「数えられない名詞」なんだよね。どっかに、ピロっと落ちてる髪の毛とか、ソファーにくっついちゃった猫の毛とか、一本一本の毛のことを頭に思い浮かべてる時とかは「まあ、数えられる」という事で「数えられる名詞」なんだよね。たぶん。
例) She has long hair.
彼女は髪が長い(髪の毛全体の話)
例) I have some gray hairs.
私は白髪まじりだ(白髪が何本か混ざってる。その白髪を一本一本認識してる感じ。)
浪平さんの場合はこんな感じに認識されるのかしら?と推測
例)Although he has little hair, he has a hair on the top of his head.
彼は髪が少ないけど、頭頂には1本毛がある。
いやしかし、彼の場合サイドの毛も数えられるかもな!
eyelash まつげ
1本ずつ認識しているようです。単数で使われる時も、複数で使われる時もあるのでね。まつげ全体の話だから数えられない!とかは無いようです。やっぱ、本数が少ないのがポイントなのかしらね~。
例)
pull out an eyelash
まつげを抜く(1本抜いてるんですね)
put mascara on one's eyelashes
まつげにマスカラを塗る(まつげ複数本に塗りますもんね)
eyebrow 眉毛
単数の形でも複数の形でも出てくるので、数えられる名詞ですね。
例)
I have thick eyebrows.
私は眉毛が濃い
knit one's eyebrows
まゆを寄せる(不機嫌の表情)
raise an eyebrow.
まゆを上げる(非難、抗議の表情)
毛の数が少ないから数えらるのか?という推測が成り立ちそうだけど、「片眉で一個」って数えてるのかな?という気がします。raise an eyebrow の例では、眉毛を一本上げているはずはなく、片方の眉全体をググッと上げている表情でしょうからねぇ。福笑いのパーツみたいな感覚でしょうか。人の顔には眉毛が二個。みたいな。因みに eyebrow のbrow は「崖などの縁」とか「突出部」とかの意味です。眉毛は「目の(上の)出っぱり」扱いなんでしょうね。毛なのにね~。
髭いろいろ
①mustache 口ひげ
数えられる名詞。これも福笑い方式でしょうかね。例文としてよく見かけるのは
wear a mustache 口ひげを生やしている
ですので、やっぱり「口ひげ一個」と数えているようですよね。
でもたまに
wear a pair of mustaches 口ひげを生やしている
と、なっている事があります。a pair of は「二つの部分からなるものの1対」という意味ですよね。あ!てことは、こうか?(笑)
②whisker 頬ひげ
これは、猫やネズミのヒゲにも使われる言葉なんですよね。だからだと思うんですけど、「一本一本ヒゲを数えられる」と認識されていると思われます。猫とかネズミのヒゲは本数少ないもんね。人間の「頬ひげ」を表すときは、複数形whiskers で通例、表されます。
③beard あごひげ
この「あごひげ」さんがですね、辞書をひいた時点では、全く意味不明なんですよね。
まず U (数えられない名詞)と C (数えられる名詞)両方書いてあって、通例~s(大体いつも複数形で使いますよ)って書いてあって、例文には a beard も beards もほぼ同じように使われているんです。全く分類できない……。(笑)
これから、あらゆる場面での beard の使われ方に注目していきたいと思います。
分かり次第ご報告します←
※鼻毛、腋毛、陰毛は nose hair / underarm hair / pubic hair ですね。(他にも言い方はあります)全部 hair くくり。因みに陰毛はスラングが沢山あります(笑)
英語よもやま話はこちらでも