自然災害の時に使われる言葉が、英語ではどう表現されるのかを紹介します。
※災害時に外国の方が使えそうなリンクを追記しました
【注意報・警報の表現】
注意報=advisory
警報=warning
●advisory は advice / advise の仲間ですね。「注意報=アドバイスの段階」ってことでしょうかね。危ないですよ~って注意喚起しているだけ、というイメージ。
●warning は、もっと強い表現ですよね。
ネット上の警告でも使われているので馴染みがあるかも。
新しく使われるようになった特別警報は冒頭にemergengy「緊急事態」をつけて
●特別警報=emergency warning
気象庁(JMA=Japan Meteorological Agency)のホームページにはこのように表示されています。
本日2018年7月9日は、こんな感じです。
特別警報は全て解除になってますね。良かったです。
注意報=advisory
警報=warning
特別警報=emergency warning
※メディアによっては 「特別警報=special warning」としているものもあります
これらに「大雨」「暴風」などの語彙を加えると「大雨特別警報」などと表現することができます。
大雨=heavy rain(fall)
暴風=storm / gale
洪水=flood
地すべり関係=landslide / mudslide
※地すべり関係の単語→land(地面)や mud(泥)がslide(スライドする・滑り落ちる)という事。
などと組み合わせるんですね。
The JMA issued an emergency heavy rain warning in Gifu prefecture on the afternoon of July 7 while lifting such a warning in Tottori prefecture.
気象庁は、7月7日の午後、岐阜に大雨特別警報を発令しました。一方、鳥取における同警報を解除しました。
The Mainichiより(日本語訳はヨーコ)
【コロケーション】
「警報」などは「発令する」「解除する」という言葉と一緒に使われることが多いですよね。こちらの表現は英語ではこちらの単語をよく使います。
警報などを「発令」する
●発令する=issue
警報などを「解除」する
●解除する=lift
先ほどの引用文の中にも入ってますね。
The JMA issued an emergency heavy rain warning in Gifu prefecture on the afternoon of July 7 while lifting such a warning in Tottori prefecture.
【避難の表現】
「避難」は evacuation です。先ほどの advisory と組み合わせるとこのような表現ができます。
●避難勧告=evacuation advisory
避難勧告=避難をアドバイスしている段階 ですね。先ほどの「注意報」と「勧告」は同じ英語が使われていますね。どちらもアドバイスです、という括り。
それに対して「指示」の方は order を使っています。
●避難指示=evacuation order
order は「注文する、オーダーする」という意味でお馴染みですね。この訳し方の他に「命令する」という意味があります。まあ、「注文する」って店員さんに「命令する」って事ですもんね。
こちらの表現も「発令する=issue」「解除する=lift」と一緒に使われます。
Evacuation orders were issued Thursday for 83,000 people in the city of Kyoto amid an escalating risk of mudslides following heavy rain in western Japan.
(西日本で大雨による土砂災害の危険が高まっている中、京都市に住む83000人を対象に、木曜、避難指示が発令されました)
The Mainichi より(日本語訳はヨーコ)
【ニュースで使われる英語の文法解説】
先ほど引用したニュースを文法的視点から見てみましょう。
①The JMA issued an emergency heavy rain warning in Gifu prefecture on the afternoon of July 7 while lifting such a warning in Tottori prefecture.
気象庁は、7月7日の午後、岐阜に大雨特別警報を発令しました。一方、鳥取における同警報を解除しました。
【前半部分】
The JMA issued an emergency heavy rain warning in Gifu prefecture on the afternoon of July 7
●The JMAが主語。issued が動詞。
●「午後に」という時には in the afternoon といいますが、「ある特定の日の午後」を表す場合は on になります。これは高校受験のひっかけ問題とかにもよく出るね。
【後半部分】
while lifting such a warning in Tottori prefecture.
●この部分は分詞構文。2つの動作が同時に行われている時に使えます。
直訳すると
while lifting~ →~を解除しながら
となります。
大雨特別警報が岐阜で発令した事と鳥取で解除された事、二つのことが同時に起こったよ。ということが表せます。
●such a waning
直訳すると「そんな警報」 かな。前に出てきた an emergency heavy rain warning の事です。
②Evacuation orders were issued Thursday for 83,000 people in the city of Kyoto amid an escalating risk of mudslides following heavy rain in western Japan.
西日本で大雨による土砂災害の危険が高まっている中、京都市に住む83000人を対象に、木曜、避難指示が発令されました。
●受動態(be動詞+動詞の過去分詞形)ですね。警報などは、「発令される」「解除される」ものですので、受動態で使われる場合が非常に多いです。
●amid ~の最中に
●escalating risk of mudslides 地すべりの高まるリスク
escalate =拡大する、上昇する、増大する、激化する、悪化する
エスカレーターでお馴染みのescalate。エスカレートする、という風にもいいますね。
●following =~に引き続いて
following で前置詞として使われています。
following= after / as a result of
mudslides following heavy rain
→大雨に引き続いて(起こるだろう)地すべり
→大雨の結果(引き起こされるだろう)地すべり
【オマケ・注意の表現】
先ほど「注意報=advisory」 で紹介しましたが、「注意」という表現は 別にあります。
●注意=caution
気象庁の地すべりの危険度を示した地図では、このように表示されています。
Extreme risk とてつもないリスク
High risk 高いリスク
Warning 警告レベル
Caution 注意レベル
Check weather bulletin 気象情報を(随時)チェックしてね
high risk と warning どっちが危険度高く聞こえるかな?とちょっと悩むところですが、気象庁ではこの順番で危険度が示されています。
以上です。今回は、基本的なもののみご紹介しました。
【災害時に役に立つ英語のリンク集】
もし外国の方が周りにいて困っていたら、気象庁の英語のページや英語で説明してある動画やアプリなどが参考になるかもしれませんので教えてあげて下さい。
【気象庁のホームページはこちら】
https://www.data.jma.go.jp/multi/index.html?lang=en
【災害時に使えるフリーWi-Fiに関してはこちら】
【安全に過ごすアドバイス(アプリのリンクもあり)はこちら】