English+Music

英語ネタ、音楽ネタ、その他諸々雑記にて。

アルバムの完成度が高すぎる…!Lady Gaga : Chromatica

前作のアルバムから4年、Lady Gagaの新しいアルバムがリリースされました。

(主演映画のCDは2年前に発売されましたが、これはLady Gagaのアルバムではないのでちょっと別物と思っています。)

このニューアルバム Chromatica の完成度が半端ない…!

Lady Gaga って、あの肉着てる奇抜な人だよね?

という印象しかない人にぜひ聴いてほしいアルバムです。

 

アルバムの印象

ポップスなど、よく耳にする現代の音楽は1曲1曲が短いですし、アルバムとして何曲かまとめてあったとしても、ある程度の統一感はあるとしても、全ての曲を聴いて生まれる「ああ!こういう事だったのか!」というような感動はあまりない事が多い。

 

クラッシック音楽、特に交響曲を聴く時に「一冊の分厚い本を読んでいるようだ」という感想を持つ人が居るけれど、これは、最初の1音から最後の1音まで繋がっていて、どこが欠けたとしても、その曲を堪能したことにならない、といったような気持になる、という事だと思っています。たとえば、3楽章だけ聴いて「ああ、良い曲だったな!」とかない、ってことです。今日はシャッフルして「4楽章→2楽章→3楽章→1楽章で聴いちゃったけど全然良かったよ!」とかない、ってことです。

 

今回のアルバムChromatica は、まさに、そんな感じです…。

これには正直度肝を抜かれました…汗

1曲聴いただけでは分からないのですが、曲が折り重なっていくうちになんだかもう空恐ろしいほどドップリとLady Gaga World に捕らわれてしまうという怪奇現象…。サブリミナルなんちゃらかなんかが入ってんのかい???と疑う程に頭のてっぺんから足の先まで痺れたように動けなくなる。Gagaのメッセージを否応なしに全て全身で受け取る事になる。そんな時間が流れます。

あわわわわ…。

 

それぞれの曲の印象

ChromaticaⅠ

なんとなんと弦楽器の刻みからスタート。

クラッシック音楽!!!!!

(えぇぇぇ!!!)

物語の幕開けを告げるような響き。

明るく日が差しているようでもあり、少し不安であるようでもあり…。

美しい…。

ここで感じる美しさは、キラキラとクリーンである、という事ではなく

ダークも含んでいるこその深い美しさ。

遠くで鳴る金管が力強い。

弦楽器とハープのハーモニーが背中を押す。

そして、さあ、始まるよ。

と音が一段と小さくなったその向こうから迫りくる音…

 

Alice

Gagaの美しヴォイス炸裂!

いきなり炸裂!

基本的に、声が低いGagaですが、高めのクリスタルヴォイスではじまるAlice。

ビートが心地よい。

ディスコ・ディーバらしい軽快さにヨシ!と盛り上がる気持ちと、いやまて、体をユラユラ躍らせてる場合じゃないのかもしれない、という思いが錯綜する。

そんな音楽。

 

Aliceは、穴に落ちていく、下へ下へ。

でも不思議の国を探し続ける。

私はアリスじゃないけど、やり遂げられるか分からないけれど、やってみる。

とても辛い時もある。でも諦めないでやり続ける。

 

と自分の抱えているトラウマや体の話を交えながらZaneとのインタビューでGaga自身がこの曲について語っています。

そうだよね、とにかくノリノリでいく!という歌ではないんだよね、と思い至ります。

 

↓Zaneとのインタビュー

youtu.be

 

Stupid Love

この歌に関してApple MusicにはGagaの言葉が載っています。

Stupid Love のミュージックビデオでは、赤と青が戦っている。明らかに政治的な批評だといえるかもしれない。そしてすごく対立をあおるものでもある。私には世界がこう見えている。中略

これは、ディストピア的でもないし、ユートピア的でもなく、ただ私はこうやって物事の意味を理解してるって言うだけ。

思う所がある。

でもそれは、どちらが悪いとかいうことではない。

ということでしょうか。

 

 Gagaは4年前の大統領選挙の時にも「分断」を憂う発言をしていました。

 ダライ・ラマとの対談で語っていた事と重なります。

「憎しみ」もしくは「悪」というものは賢いのです。そして目に見えません。人種も宗教も政治もそこにはないのです。目に見えない蛇のようなものです。その蛇は考えます。「自分の敵を分断してやろう。力のない弱い小さなグループにしてやろう。そして、そいつらを憎しみ合わせてやろう。そうすれば、やつらを倒すのは簡単だ。」

分断された私達は、「誰がこの問題を引き起こしているんだ!」といがみ合います。

それこそ「悪」の求めているものなのに。

ーダライ・ラマとの対談よりヨーコ意訳

 ↓こちらダライ・ラマとの対談より抜粋

youtu.be

 

 この曲はアルバムの前半に布石のようにおかれたものであると感じます。

 

Rain On Me 

Gagaらしいメロディーで始まる。

Ariana Grandeとのコラボ曲。

みんな大好きでしょう?ソングだな、と認識しつつも「浮かれていない感」が漂う不思議さ。Gagaの低い声が、所々で、楔のような働きをしているのでしょうか。フワフワと飛んでいかせないエネルギーを感じます。

 

「Rain」は「涙」そして「アルコール」を表している、とGagaはZaneとのインタビューで語っています。

 

なるほど…。

 

アルコールは感覚を麻痺させるもの、これは一種の「逃げ」を意味するのであろうと思います。対して「涙」は心を浄化させるもの、「受けとめる」事によって内面を洗い流す薬のようなものであると思います。

 

こういった正反対な要素の組み合わせが、この曲のあらゆる所に散りばめられているから、聴き手に複雑な感情を起こさせるのかもしれません。

ネガティブとポジティブの織り成す世界。

時に対立し、時に混ざり合う二つの要素が、歌詞の中に、アリアナとガガの声の中に、メロディーの中に…。

 

Free Woman

この辺りから、Gagaの声を聴いているだけで軽い催眠状態に←。

織り重なるGagaの声達。

 

遠くから迫ってくるドラムが何とも軽快で、思わずノリノリにならずにはいられないのだけど、一方で声の呪縛にかかっていて身動きできない自分がいる。

言うなればスゴイハイになる薬を打たれながらも椅子に縛り付けられてて踊り狂いたいのにできないみたいな拷問です。

 

この歌の歌詞についてはGagaの言葉にこうあります。

私はある音楽プロデューサーから性的暴行を受けた。そのことが私の人生観も、世界観も音楽業界に対する気持ちもすべてあっかさせてしまって、ここまでたどりつくにはその事に折り合いをつけて潜り抜けてくるしかなかった。心にしまっておくしかなかった。そしてようやくそれを称える気持ちになれたとき、こう言えるようになった。「私は支えられなきゃ生きていけないわけじゃない。男がいなくたって価値がある。私は自由な女性なんだから。ーApple Musicより

 

その痛みと強さと全て声にこめられていると思います。

やはりここでも「対立する要素」が音に反映されていて、それをモロに受け取とってしまうと、どうしたらいいんだ…!となるのかもしれません。

 

Fun Tonight

続く催眠状態←

声が…。

声が…。

そしてまたも軽快なドラム…。

 

てか、声!!!!!

なんだこの威力は。

 

確信に満ちた歌声と軽い軽いドラム。

神と崇めるべきか、それともとにかくリズムに身を任せて踊るべきか。

どちらか決めてくれ。

頼む。

この曲も聴いていると頭の中が混乱する。

 

歌詞を見てみると、楽し気な歌ではない事は分かります。どちらかと言うと、辛い。でも、Gagaの歌声は、それを嘆くわけでもなく、知らんふりするわけでもなく、ガッチリ正面から受け止めて力に変えている、そんな声。

 

「良いとか悪いとかではない」という「二つの要素をそのまま受け止めている」空気が音楽に満ち満ちているんですよ。そりゃ凡人は混乱しますよ←

 

しかしこの歌声…。

ツイッターでお話しした たにさん(@taninote)曰く

「結界張れそうですよね」

 

ほんまそれな。

ほんまそれな。

結界はってるだろこれ。

結界はってるだろこれは!

はぁはぁ…。

 

凡人が目いっぱい混乱させられている中

結界が張られて第一楽章終了です。

 

Chromatica Ⅱ

クラッシック音楽。

不穏な弦の刻みからのチェロ。

うぅぅぅ。

ぐっとくるぅぅぅぅ。

ミステリアスな森へ足を踏み入れたようです…。

光が少し差し込んでいますが、歩を進めるには勇気が要りそうです…。

さあ、勇気を出して先に進もう。

と心を奮い立たせてズンズン歩き出した先には……!

 

911

流れるように、そしてあっという間に

クラシック音楽からテクノへ!

なんて繋ぎ方なんだぁ!

あぁぁぁぁぁぁ。

こんな繋ぎ方ツボすぎる…。

私的にツボすぎる!!!

こういうの大好物です…。

はぁはぁ…。

 

歌の出だし、Gagaの歌声には何かエフェクトがかかっているのでしょうか。

感情がありません。

タンタンとテクノです。

タンタンと続く感情のない歌声。

そのかわりに、後ろのSE的な音がこちらの思考を揺さぶってきます。

色々な音が聞こえます。

本人の意思は伝わってこないけど、頭の中はチカチカ忙しい。

そんな音楽。

 

歌詞を見てみると、なるほどと思います。

 

Apple Music にあるGagaの言葉によると

これは私が飲んでる抗精神病薬について歌った曲。頭の中で起きていることをコントロールできなくなるときに必要な薬で、それは自分でよくわかってる。進行を抑えるために薬を飲まなくてはいけないの。

 

Gagaは服用している薬について、Oprahの番組で詳しく語っています。

このインタビューでは、Gaga のこれまでの経験が語られています。「19歳の頃に何度もレイプされ、それがトラウマとして体に影響を与えるも、正しい対処法も分からないまま、世界中をツアーでまわるようになり、そのまま心の病気に向き合う事もできず突き進み、その後PTSDを発症、線維筋痛症発症」という経緯を赤裸々に話しています。自分がどういう時にどうなったか、どういう薬を飲むのか、どういうカウンセリング、医療を受けているのか、などかなり詳しく語られており、見ていて苦しくなるほどでした。

youtu.be

 

Gaga はBorn This Way のツアー(2011)を、股関節の手術により途中で中止しなければならなかったという経緯があります。その頃には身体共に限界だったのだろう…と思われ、本当に、大変な中頑張っていたのだろう…と想像します。その時、信頼していたマネージャーが彼女の元を離れたり、人間関係の面でも追い打ちをかけるような事もありました…。

 

そう。

この曲は、そういう経験を経たGagaが、自分の頭の中が、どうしようもない状態になった時に、どういった事が起こるのかを歌った歌ということ。

沢山のカラフルなテクノの音やら吐息のような声やらに彩られながら、感情を表さない歌声で表現しているというところにGagaの意図を感じます。

終わり方も印象的です。

電池が切れていくようです。

 

Plastic Doll

出だし、テクノな声。

やはりあまり感情がない系かな。

と思って聴き始めるも、いや、違う。

 

そうですね。

プラスチックの人形が、歌い出すかのごとく

人形が人間へと姿を変えていくかのごとく

段々と感情が声にのってきます。

 

Don't play with me

It just hurts me

I'm bouncing off the walls

No, no, no, I'm not your plastic doll

 

私で遊ばないで

私を傷つけてるだけだから

壁にぶつかって跳ね返る

私はあなたの人形じゃない

 

の部分では強い思いを感じます。

 

そして曲が一旦落ち着いて

音楽の基本に戻ったかのような音の運びがあらわれます。

(2分30秒くらいの所)

まるで

これから1からちゃんと教えますよ。

ちゃんと聞いてくださいね。

と言っているかのよう。

 

ここで私は涙が出るんですよね。

こんな風に、相手に1からちゃんと教えてあげなくちゃいけない時って、自分を分かってもらえてない時だから…。

 

そして、ちょうどこの「音楽の基本に戻る音の運び」の前に、日本人的に「空耳」ポイントがあるんです。

ooh la la 

って言ってるんですけど

それが

「もうヤダ」

って聞こえるんですよ。

 

で、この歌の歌詞「私はあなたのお人形じゃない」とあいまって

もうヤダ…

もうヤダ…

もうヤダ…

もうヤダ…

もうヤダ…

もうヤダ…

もうヤダ…

が頭の中に響いて泣いちゃうんですよね。

 

Sour Candy

BLACKPINK とのコラボ曲。

古代都市というか、密林というか

でも新しいというか

なんかエレクトリック・インディージョーンズ!みたいな風景を思わせる出だし。

 

BLACKPINKの甘い甘い声で歌が始まります。

なんちゅう可愛い声なんだ~♡

韓国語も可愛いなぁ~♡

とBLACKPINKに心を奪われまくります。

(こういう甘ったるい声、たまらんよなぁ~)

 

そしてGaga登場。

 

ゾゾゾゾゾゾゾゾー!!!!!

↑背筋を何かが走る音

 

なんちゅう声や……汗

 

BLACKPINKの世界を一瞬で塗り替える

覇王感

 

たにさん(ツイッターにて)曰く

ラスボス登場

 

それな。

それな。

 

なんなんだこの声は。

 

怒りとか、強さとか、そういうのじゃないんです。

そういう感情じゃないんです。

確信に満ち満ちた声。

Fun Tonight でも感じていたけどあの時の確信とは格が違うというか

優しさとか厳しさとか超えてる声。

 

両手を広げて

こちらをじっと見据えて

ゆっくり歩いてくるGaga が見える

怖いとか、嬉しいとかじゃない

もうひれ伏すしかない

といった感情が聴き手に芽生える

そんな声。

 

 

はぁぁぁぁ…

 

ここまで10曲

息つく暇もないじゃないかよ。

どんどん繋がっていって

どんどんメッセージが伝わってきて

ここからどうなんの?

これ以上の事がなにかあるの?

 

Enigma

Sour Candy で確信に満ち満ちた声を体験したところですが

Enigma の声は

出だしから

破格

圧倒的

いやこんなチープな言葉では足りん

speechless

言葉を失うよ本当に

なんなんだこれは…

なんなんだよ…

ここは、もう、一旦、死ぬ…

一旦、死ぬね…

これ以上耐えられん

ゾクゾクがとまらん

寒い

寒い

寒いよぅ

 

音楽がどうとか

もう語れないのね

この曲は

 

歌声が全てだ

 

歌詞を調べすらしてない

 

歌声だけでキャパオーバーです…

 

この曲が間違いなく

このアルバムの核心だと思われます

 

圧倒的な歌声を堪能してください。

バイブだけで死ねる。

 

しかし、本当に歌が上手くなったと思うのです。

いえ!彼女は最初からずっと歌が上手いです!

歌が下手なアイドルみたいな立ち位置では全然ないです。

なので、今の彼女は「歌の素質がある上に鍛錬をつんだ声に育った」と言えば良いのでしょうか…。

この凄まじい声は、一旦頂点に達しただろうと思われたBorn This Way の時にはまだ出せなかっただろうな、と思うのです。

しかも、声に「言葉にならないパワー」がこもってるんですよね。

歌は気持ちをこめて歌わないと伝わらない。何て言いますけど、「気持ち」なんてもんんじゃないもんがこもってるんです。

この技(技と呼ぶものなのかどうかも分からないけれど)は誰にでもあるもんじゃないと私は思ってます。

 

Replay

遠くから、なんか懐かしい歌がラジオでかかってるのが聞こえてきてるような始まり。

なんとなく聴いたことのあるようなリズムとメロディー

かと思ったら急に「???!」という展開!

新しいのか古いのか…!

頭の中をグラグラ揺すぶるようなエフェクトのかかった音達

これは混乱する……!

第一楽章のテーマーだった「二つの要素」の混ざり合いが戻ってきたかのよう

そして第二楽章で満載だった「声のパワー」はそのままに

音が大きくなったり小さくなったり

いっぺんに色んなことが起きすぎる(目眩…!)

 

 

Gagaが意図しているかどうかは別として

このアルバムでは、聞き手はGagaの中で起こっていることを追体験している感じになる事があるのではないかと感じています。この曲はそういった曲の1つではないかと思います。911もそうだったのかもしれません。

 

歌詞をみてみると

 

何をしたらいいの

あなたは何を言えばいいの

心の傷がなんどもなんどもよみがえるの

あなたの中のモンスターが私を苦しめる

心の傷がなんどもなんどもよみがえるの

 

という文言があります。

Gagaの心の中でグルグルと起こっていること、だと思われます。

実際、Zaneとのインタビューでも、「自分の事を自分で傷つける」事をしてきたと語っています。周りの人から言われたこと、自分自身の中にある恥じる気持ち、などとずっと戦ってきていると。でも、この件に関して最後にGagaはこう言っています。

「でも、こうやって悩み苦しむのは、あなたが人間だっていう印なんです。」

 

このアルバムを通して、Gagaが伝えたいことが一貫していることが分かります。

 

悩み苦しんでもいい

それでも前に進む

良いとか悪いとかではない

全部受け止める

悩んでいるのは

あなたが人間だから

それでいいの

 

ここで第二楽章終了。

さて…どうやってアルバムをどうやって締めくくるのでしょう…!

 

ChromaticaⅢ

クライマックスを告げるような弦楽器のかけあい

そして遠くからホルンの音…

 

余談ですが

クラッシック音楽を聴く時に、作曲家が楽器ごとにそれぞれ意図のようなものをもたせているのを感じる時があります。例えば、ベートーベンの交響曲第五番「運命」の4楽章を聴いている時に

弦楽器は人間の声担当

金管は神様の声担当

なのかな、と感じたりします。

圧倒的な空から降ってくるような神様の声(金管楽器)に対して、人間達が様々な感情を露わにうねるように応える(弦楽器)。みたいな。

そんな風に感じる時があります。

 

今回の Chromatica Ⅲ でも、ホルンは「神様の声」なんじゃないかなと私は感じています。

 

Sine From Above

Elton John とのコラボ曲。

話題を集めるための曲

では全くありません。

恐ろしくスピリチュアル。

これはヤバいです。

先ほど、Enigmaでこの曲がアルバムの核心と言いましたが、それは「歌声」に関しての話です。

真の意味での核心はこちら Sine From Aboveです。

 

これもGagaの経験を追体験する系の曲だと感じています。

 

Apple MusicのGagaの言葉によると

S-I-N-Eというつづりなのは、音波の事をさしているから。その音波、つまり正弦波が点から届いて、それが私を癒してくれたおかげで、踊りながらこのアルバムをやり遂げることが出来た。

天からの正弦波が聴こえた

天からの正弦波が聴こえた

その信号が音に分かれて、私やあなたみたいな星が生まれた

愛がある前に、沈黙があった

正弦波が聴こえた

私の心を癒してくれた

正弦波が聴こえた

 

でしょうね。

でしょうね。

そういう歌でしょうね。

 

天からのメッセージをGagaが受け取った時の追体験ですから恐ろしくスピリチュアルになってるにきまっとる。

 

スピリチュアルな曲、というと「癒し系」みたいな風に聴こえるかもしれませんが、この曲は全く癒し系ではないと私は思っています。どちらかと言えば、癒されない。スッと落ち着いて、優しい声を聞いたかと思ったら、胸がドキドキしだして走り出す、みたいな。でも、これって、天からのメッセージをもし受け取ったらこうなるだろうな、というのをかなりリアルに再現しているように思います。

 

終わり方も、意外なんですけど、よくよく考えると、そうか…、そういうものかもしれん…、と思うのです。

 

1000 Doves

さきほどの Sine From Aboveでもしアルバムが終わってたら、もう、聞き手のおいてけぼり感は半端なかったのではないかと思います。

 

おいおい!

天からのメッセージ追体験させたままかい!

どうやって人間界に戻ってこいっていうねん!

 

ですので、まだ続きがあって良かった。

とホッとします。

 

1000 Doves では Gagaは等身大の人間です。

歌詞を見ずとも、タイトルを見ずとも

「Gagaが飛び立つ」歌であることが伝わります。

そういう音楽です。

 

最初は、曲を聴きながら「わあ!全てを吹っ切って飛び立った!」と思ったのですが、聴き進めるうちに、「まてよ。そんな身軽な感じじゃない。ネガティブなものも全部引き連れて、そのまま飛んでるのか!」という気持ちになりました。 

歌詞を確認してみて、やはり、そうですね、と納得。

 

Lift me up, give me a start
'Cause I've been flying with some broken arms
Lift me up, just a small nudge
And I'll be flying like a thousand doves

 

傷を負ったまま飛んできた

少しだけ あなたの力をかして

ほんの少しでいい

そうしたら1000羽の鳩が空を舞うように

羽ばたいていける

 

Babylon

エレクトリック古代都市!

といった音楽。

 

この曲は、とてもGagaの曲っぽい。

今までの、Gagaファンが知ってる、Gagaの音楽を最後に持ってきてくれた。

そんな気がします。

例えば

The Fame Monster の Teeth のような

ARTPOP の Aura のような

そんなイメージの曲。

 

なので、なんというか、ちょっとホッとします。

こういう終わり方で、良かった、と思います。

 

曲の歌詞ですが

「「babylon / バベル」の世界では、最初は皆同じ言葉を話していたが、人々がバベルの塔を建てようとしたため、神の怒りをかい、言葉を変えられてしまい、世界は混乱してしまう。」

といった聖書の内容を背景に作られたものと思われます。

 

使われている言葉は切れ切れで少ない。

その中で特に強調されている単語は gosssip (ゴシップ)です。

 

人が三人集まればゴシップがはじまる。

共通の言葉を失ったbabylonの民のように

人々の間で話が捻じ曲げられる。

 

そういう思いを込めているのかと思います。

 

Battle for your life, Babylon!

(自分の人生のために、戦え、バビロン!)

という歌詞に、ゴシップに打ち勝とうという気持ちが感じられます。

 

まとめ

最後まで一気に聞かざるを得ないアルバムでした…。

そしてシャッフルはしない方が良い、と思えるアルバムでもあります。

メッセージは一貫していますが、最初の方より最後の方が断然メッセージ性やスピリチュアル性が高く、初めから順番に聴いたからこそ体験できるゾーンに突入するためにもGagaが配置したとおりに曲を聴いた方が良い、ということになります。そして、その方が置いてけぼりにならず、安心して曲を終えられる、という事にもなります。

そんなアルバム、クラッシック音楽で以外で今まであっただろうか…?

と思うわけです。

 

Gagaのアルバムはいつも「何かしらのイメージ」をまとっています。そしてその時代その時代の「声」と相まって、その時代のGagaの全てと思えるものをアルバムから感じる事が出来ます。

 

The Fame では、やはり初々しく可愛らしい(一般的な「可愛らしい」ではないですが)。声も可愛いです。The Fame Monster ではちょっと大人っぽくなりました。エグミのようなものもありますが、それがまた良い。Born This Wayでは、成熟した歌声とパフォーマンスで唸りました。と同時に、こんなに自分をさらけ出してしまって大丈夫なんだろうか?と衝撃を受けました。カリスマ性と弱さとを同時に見せるアーティストというものを知らなかったからです。ARTPOPでは怒りのエネルギーを感じます。負のイメージではありません。怒りをパワーに変えているそんな強い強い歌声。Joanne は悲しいイメージ。このアルバムは悲しすぎて実はあまり聴くことが出来ません…。聴いているうちに気持ちが落ちちゃうんです。悲しい歌ばかり入っているというわけではないのですが、なんなんでしょうね…。

 

そして今回の chromatica。

間違いなく、今までの中での最高傑作と私は思います。

どう最高なのかは、もう十分書きましたので(笑)、ここでは割愛します。

 

しかし、こんな風に素晴らしい音楽を、次々に世に送り出せるって、本当に凄い…と思うのです。しかも、いつも、その時の自分の命を削って作り出しているかのような、そんな音楽を…!

 

Chromaticaを作った時の様子は、ブログの前半にリンクを貼りましたが Zaneとの1時間のインタビューで色々語られています(日本語字幕は無いのですが…)。まさに、命を削っている…と私は思いました。そして心配になってしまいました…。音楽はGagaの癒しであると本人も語っていますし、彼女の一部から生まれてくるもので、音楽の無いGagaなんて存在しないのですが、体調も良くない中、どれだけ辛い思いをしたのだろうと…。それが癒しに繋がるとしても…。

 

ただ、ただ、素晴らしい音楽を生み出してくれて有難う!

と彼女に伝えたいです。

そして体調が少しでも良い日が続きますように。

 

そして、最後まで読んでくださった皆様

10000字超えの長文、読んで頂き有難うございます。

少しでもGagaの音楽に興味を持っていただければ幸いです。

ぜひ、Lady GagaのChromatica聴いてみてくださいね。

一緒にGaga worldにハマりましょう\(^o^)/

youtu.be