先日、英作文で「ちゃんとする」という表現を英語にする機会がありました。
辞書には
ちゃんとする
●[きちんと] regularly / neatly
●[ゆがまずに] strait
などと書いてあります。
例文は
● a neat appearance
ちゃんとした身なり
●do one's work carefully
ちゃんと仕事をする
●pay one's rent regulaly
ちゃんと家賃を払う
などとあります。
私が思った「ちゃんとする」は
●manage things properly
物事を適切に管理する
でした。
英作文の回答としては
● be responsible
責任をもって
● grow up
成長する
も使われていました。
これら、全て見てみると、どれもこれも「ちゃんとする」が意味する一部を違う言葉で言ったもの。ですよね。他言語に訳すという事はこういうことだと思うのですが、まずその言葉自体を掘り下げるんですよね。
ちゃんと≒ 定期的に、キチッとかたづいて、まっすぐに、注意深く、適切に、責任をもって、大人になって…
と分析してそれぞれの場面に合わせて英語を使い分けると。
しかし「ちゃんとする」の厄介なところは、こういう概念で収まらない側面があることだ、と「はみだし系ライフの歩き方」ホストの Yukariさんと Mikaさんが最近指摘しておられました。「ちゃんとする」という行為は日本人の「恥の文化に通じている」のではないか。と。
Mikaさん曰く
日本語の「ちゃんとする」は「(主に世間的な)基準」から外れているものを基準に近づけようとする言葉かな?と思っています。「恥」の概念がベースにあるような。
おーーーー!!なるほど!!
確かにそうですよね。私達が「ちゃんとする」を使う時、じゃあ、具体的に何をどうしろというの?と突き詰められない時がありますよね。子供に「もー!ちゃんとして!」って言う時、自分自身に「もっとちゃんとしなきゃ!」と言い聞かせるとき、その先に浮かんでいるゴールは何なのでしょう。
具体的に何も思い浮かんでないけど、「恥ずかしくない結果」に向かっている事は確かでしょう。何を基準に「恥ずかしい」と「恥ずかしくない」が分けられているのかもよく分からぬまま、とにかく「恥ずかしくない場所にいなくては!」という思いが、その言葉には込められているような気がします。
そうなった場合、英語にはなかなかピッタリの表現は無い!
とお二人はおっしゃってました。強いて言うなら
「ちゃんとしなさい 」は
Don't be embarrasing. (恥ずかしいことしなさんな)
かなと。
お二人の話、日本人の概念についてとても考えさせられました!
最近では、良い意味で、私達の周りに「ちゃんとしなくて良いんじゃない?」という概念も広がってきているように思います。私自身、若い頃は「ちゃんとしなきゃ!」っていつも思っていたくちですが、最近ではもうちょっとしなやかに対処したら良いんじゃないかなと思うようになっています。「ちゃんとしている」からこその美しさや、頼もしさを失わず、でも、ガチガチに枠からはみ出さないようにしなくても良い、そんな空間がこれからもっと広がっていくと良いなぁと思います^^
お二人のトークはpodcastで聴けますので興味のある方はぜひ。