今回はパラグラフの構成を考えて、不要だと思う文を取り除くという問題達です。
では、行ってみよう!
今日は2018年度(2019年1月実施)のセンター試験より
「第三問のA、計3問」です。
まず、こちらで問題を解いてみて下さいね!↓
※PCは別ウィンドウで開きます
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/01/19/20190119hrc00m040001000q/0.pdf?1
それぞれの文の訳や問題の解説をしていきますので、ご参考下さい。
第三問 A
【問1】
答え ①を省きます
訳 (英語の文の形を意識して訳しています)
アメリカ合衆国を飛行機で旅する時に、地面にコンクリートで作られた大きな矢を見るかもしれない。これらの矢は、最近では、基本的には(ただの)珍しい所というだけであるが、過去には、パイロットが国の端からもう一方の端まで飛ぶ際に、その矢を絶対に必要としていたのだ。①その矢がとても成功しているように見えたので大西洋に矢を浮かべるよう提案する人もいた。 ②パイロットは、ニューヨークからサンフランシスコまで飛ぶ時のガイドとしてその矢を使っていた。 ③16キロごとに、パイロットは明るい黄色に塗られた21mの長さの矢を通り過ぎるのだ。 ④真ん中についている回転するライトと両端に1つずつあるライトが、夜でもその矢を見えるようにしていた。 1940年代から他のナビゲーションシステムが導入され、その矢は今では一般的には使われていない。しかし、モンタナの山林地区を飛ぶパイロットは、いまだにそれらに頼っているのだ。
解説
ほぼ直訳ですので日本語としては読みにくい訳になっております。
この文章は、出だしがちょっと唐突なので、最初「はい?何の話?」となりますね。
When flying across the United States, you may see giant arrows made of concrete on the ground.
(アメリカ合衆国を飛行機で旅する時に、地面にコンクリートで作られた大きな矢を見るかもしれない)
てとこね。この「矢」を見たことある人なら「あ~はいはい。」てなるけど、見たことない人は「一体全体地面にあるコンクリートの矢ってなんやねん!」となります。
aviation navigation arrows で検索してみました。
地面にコンクリートの矢があるぅ!!!↓
衝撃です(笑)。
英語のブログですが、写真や挿絵があるので、雰囲気は分かると思います。こういうネタ、面白いですよね~。高校生以上の英語のテキスト(英検だと2級以上)になると、こういうマメ知識みたいな話が沢山出てきて面白いんですよね~。TOEICには一切ないもんねこういうの。
問題解説に戻ります。
①~④で不要な文章を省くという問題です。不要なのは①です。
最初からバーっと読んでいくと①の文の所を読んでも、まあ、こういう展開もありかなぁ?と思いますが、②矢の目的③矢の特徴、使用方法④暗い時の対応 という「矢に関する詳細情報」に対して、どうしても ①矢を海に浮かべようという提案 という文は馴染みませんね。
英語の表現としては
these arrows are basically places of curiosity の部分の意味がイマイチよく分かりませんが、おそらく「これらの矢(がある所)は、ただの物珍しい場所みたいなもんに今はなってるよ=もう役に立ってないよ」って感じかなぁと思います。成句などあるのかな?と調べたけど見つけられませんでした。どなたか何かご存知の方おりましたら教えて下さい。
【問2】
答え ②が不要
訳 (英語の文の形を意識して訳しています)
都市に住むことと田舎に住むことは違ったスキルを必要とする。これは、もちろん、人間にとってあてはまる真実であるが、鳥にとってもあてはまる事だ。ある研究で、科学者達がカリブ海の島々の一つであるバルバドスの、都会の地域と田舎の地域から53羽の鳥を連れてきて、様々な実験をした。そして、その鳥たちをもとの住処に返し、発見したことを報告した。①都会から連れてこられた鳥たちは田舎の環境から連れてこられた鳥たちより、問題解決のタスクに長けていた。 ②その研究者たちは土地たちの集団の違いをチェックするためのいくつかの実験を用意していた。③都会の鳥たちは、田舎の鳥たちより病気に抵抗する力をより備えていた。④研究者たちは、田舎の鳥たちに比べて、都会の鳥たちはより賢いけれども、体は弱いだろうと予想していた。賢い、と、強い、の両方があるという事はないと思われていた。しかし、都会の鳥たちは全てを兼ねそろえているようだ。
解説
こういう研究も面白いですね。そして、結果が「意外」ですね~。都会の鳥たち、最強やん。しかし、53羽って…中途半端というか、数が少ないというか…。でも、こういう自然界の動物などで実験する場合、これくらいの数が妥当なのかな?やたらめったら捕獲するわけにはいかないのかもですね、いくら元の場所に戻すとはいえ。
英語の解説ですが、この問題は結構簡単だったかな?
②が流れをせき止めているなぁと、多くの人がピンとくるんじゃないでしょうか。②は文言的には突飛ではないですけど、入る場所が変ですよね。①の前に入っていたら、まあ、良し!なんじゃないでしょうか。でも、①と③が「都会の鳥と田舎の鳥の比較結果」なので、その間を割って②を入れるのは、おかしいです。
【問3】
答え ④が不要
訳 (英語の文の形を意識して訳しています)
チューダー時代(1485-1603)の英国の正式な夕食は、祝宴と呼ばれていました。それらは壮麗で、全ての事が、人々の富や社会的地位を示すために注意深く行われていました。①祝宴で起こる事はどんなことでも、社会階級を反映していました。人々が部屋に入る順番ですら。 ②上座のテーブルがあり、一番高い位の客が王や王妃の隣に座りました。 ③金や銀の皿が、その家族がどんなに裕福かを強調するために並べられてもいました。 ④チューダー時代の祝宴の様子が、様々な映画でふんだんに描写されてきています。 客は、その場を支配する位の人より前に食べ始めることを許されていなかったし、その人が食べ終わったらすぐに食べるのをやめなくてはなりませんでした。あなた(客)が、食べることが出来たり、出来なかったりするタイミングは、厳しく複雑なルールに従っていたというわけです。祝宴の他の側面(決まり事など)と同じように。
解説
まあ、貴族の間ではこんな事になってたんだろうなぁと大体の人が知っていると思うので読みやすかったのではないかと思います。私自身は、チューダー時代なるものがあるのを知りませんでしたが…。高校時代は世界史をやっていたのですが、全く記憶にございません。。。英語を学ぶものとして興味を持っておくべきトピックだと思うのですが。いやはや。全然この辺りの貴族に興味が持てません…。
英語の解説ですが、この問題も結構簡単ですね。
あきらかに④だけ関係ない雰囲気だしてます(笑)。①②③がチューダー時代の祝宴の様子などを具体的に説明しているのに対して、④は映画の話、ですからね。
でも①が少し訳しにくいので苦戦した人もいたかもしれませんね。
Whatever happened at the feasts reflected social class, even the order in which people walked into the room.
(祝宴で起こる事はどんなことでも、社会階級を反映していました。人々が部屋に入る順番ですら。)
whatever の訳し方。in whichの訳し方。がキーポイントですね。どちらも「関係詞」です。「関係詞」はめちゃくちゃ普通によく使うので、細かいところまで覚えておいて全く損はない!のでしっかり勉強しておくことを強くお勧めします。
英語の表現としては、最後の一文がちょっと読みにくいんですよね。
When you could and couldn't eat followed strict and complicated rules, like all aspects of the feast.
(あなた(客)が、食べることが出来たり、出来なかったりするタイミングは厳しく複雑なルールに従っていたのです。祝宴の他の側面(決まり事など)と同じように。)
このwhenが何なんでしょう?ってことです。
●先行詞を含む関係副詞としてのwhen
でしょうなぁ~と思っております。この場合の関係詞節は名詞節扱いになりますので、文の主語になり得ますからね。
When ( = the time when) you could and couldn't eat followed strict and complicated rules, like all aspects of the feast.
だと思われますが、どなたか何か他に考察ありましたら教えて下さい。
いずれにせよ、主語はWhen you could and couldn't eat だと思います。まあ、ここは読めなくても問題は解けますけどね~。
まとめ

最初、出だしで「え?なにこれ?」と思っても、慌てず最後までいったん読んでみましょう!そしてもう一回頭から読むと、「あー、こういう事かな?」と気付いたりしますからね。
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