先日大阪で行われました、「H ZETT M ピアノ独演会2019冬 大阪クリスマスSPの陣」に行って参りました。2年ほど前に彼の弾く「千本桜」を聴いてから、一度「生で!」この音に翻弄されてみたい!と夢見てまいりましたがその夢がかないました。
↓「千本桜」はこれ
彼の演奏の何に惹かれたかと言うとまずは「音」。ピアノの音自体がうーつーくーしーいー!同じ曲を弾いてもこういう音になる人ってあんまりいないと思うんだよね。そして次に「アレンジの仕方」強弱であったり揺れであったり最高かよ~~~。あとは「スイッチの切り替わり方」と申しましょうか。音の処理の仕方にも関係していると思うのですが、一瞬でガラッと風景が一変するような演奏なんですよね。センスの塊かよ!!!と思わずにはおれませんでした。
チケット~会場
普段はクラシック音楽を好んで聴いていますが、このピアノは何としても生で聴かなくては!と思いつつ2年経ってしまいましたが、今年はコンサート情報をタイムリーに発見!←
すぐに予約。指定席は売り切れでしたが、自由席を3000円でゲット。
演出が見えにくい席、という但し書きがついていましたが、私は普段からそもそも舞台の人を見ながら演奏を聴くことがあまりない。目で見ていると、耳がおろそかになるんでねぇ。耳だけに集中して聴いた方がよく聴こえるんです。だから、まあ良い。と思いつつ、あんまりなんも見えないんじゃ詰まらなすぎるので開場時間には会場に行き、なるべく良い席を取れるよう頑張りました。
開場時間につくと列が外にまで伸びておりました。すでに出遅れとる!状態でしたが、自由席は整理券番号システムで、開場時間にその場に居れば番号順に優先して通してもらえる仕組みでしたのでなかでも良い席をゲットできたと思います。整理券番号は23番でした。
座った席からの眺め。
かなり手すりから身を乗り出すとこんな感じに見えます(笑)。
この自由席エリアなんですが、席がですね、完全にステージの方を向いていないのです。普通に座って聞いていたら奏者は1ミリも見えないのだ!手すりから身を乗り出して真横を見ないと奏者は見えないのだ!だから2列目の人はもう見ることは諦めよう。って感じです(笑)。そして所々に太い柱もあり、その柱の近くの人は1列目でも見ることは諦めよう。って感じです(笑)。ハードル高いわ~。そりゃ但し書きいるわ~。
そもそもコンサートホールというか集会場っていうか、だもんね?
大阪市中央公会堂!
雰囲気はあるけどね!外ではクリスマスのプロジェクションマッピングしていたり、ライトアップイベントしてたり、クリスマスイブにはもってこいだったかもしれません。(私は1人で行ったけどね。)
しかし、寒かったー!
そもそも寒がりの私はどこへ行く時でもマックスの装備でひざ掛けやらショールやら持っていくのですが、総動員しても寒かった!そして風邪をひいた!!うぬぅぅぅ。
演奏
ところで、肝心の独演会ですが、千本桜の演奏で彼に惚れ込んだわけですが、それ以外の彼のオリジナルソングというものを私は知らないまま会場に向かいました。うっすら動画で見た感じなどで「ちょっとトリッキーな演出があるかも」というくらいの認識で会場入り←
でも、「彼の音」と「彼のセンス」を気に入ってるんだから、どんな音楽が来ても大丈夫でしょう、という謎の安心感(笑)。そして独演会が始まりました。
ええ音やぁぁぁぁぁ~~~~~。
やっぱりやん。
ええや~~~~ん。
なんなんだろう。彼のプロフィールなどに
高度な技術と無重力奏法とも評される超人的パフォーマンス
という文言を見かけるんですが、うん、なんだかね、1音1音が美味。
音を響かせる時の音は恐ろしく優しく艶やかに広がっていく、でも響かせない音は全く響かない、スッと引っ込む。このスッと引っ込む音がなんとも不思議なリズム感を生むと言いますか、彼の中を流れるリズムがまず絶品にカッコイイリズムなんでしょうが、それを体現すべく生み出された音というか。ピアノは打楽器であり弦楽器だ。という気持ちにさせられる演奏というか。超絶技巧を思わせる聴かせどころあり、ジャジーなセンス満載な曲あり、泣かせる曲アリで、大満足。
進行はこういった具合↓
第一部 45分程
休憩 15分
第二部45分程(アンコール含む)
第一部は電子音や声などが使われる演出もあり、私はそういうのはちょっと辛いのですが、でもピアノという枠には収まりきらない世界を生み出したいんだろうな、と思って拝聴していました。途中、コミカルな演出もあり、やっぱりちょっとでも舞台が見えて良かったです(笑)。第二部はピアノ1本で聴かせまくり。幸せ~~~~。
特に印象に残った演奏
聴いている時は何の曲か知らずに聴いていましたが、帰ってからセトリをチェックしてAPPLE MUSICなどで楽曲をチェックして思い出したものを書いています。
ほろ酔いバランス
ジャジー。気持ち良い揺れー。あー。このままさー、このままテクテク歩いていけばいいやー。途中で鳥の声が鳴いたりしてね。気持ち良かったなー。そしてコミカルな演出も。挙動がチャップリンのようですね H ZETT M さん(てか、ファンのみなさんは彼の事をなんて呼んでいるのでしょうか?)。かわいいかったです。音楽でお話しする人なんですね~。
ランドスケープ
都会の風景がまず浮かんできました。そこは寂しさとクールさが背中合わせにあるような空間。途中で「千と千尋の神隠し」を思い出すような箇所があって、そういえば、千尋が最初にあの異空間ともいえる油屋に迷い込んだ時の「どこにも属していない」感覚もこれに近いんだよなぁと思ったり。そしてそういったちょっと色の無い無機質に感じる空間を、突如バサーっと飛んでいく鳳凰。色が美しくて大きくて自由だね。と思いながら眺める。そんな気持ちにさせられた演奏。中央公会堂に鳳凰が舞いました。泣きました。
ジングルベル
ただのジングルベルがなんでこんなにカッコイイんでしょうねぇ~~~。参りました。ただ、サッと弾いただけみたいなんですけどねぇ~~~。
ネクタイしめて
オシャレ心のない輩には絶対弾けないなって演奏。あ~。カッコええ~。盤石な礎のうえで好き勝手にダンスする音達の楽し気な事よ!
確かな日々
古き良き日本の風景。草っ原。風。小さい花。小川。そして子供時代。そんなことが頭に浮かび、とにかく涙がとまらない。独演会最後の最後に涙涙。家に帰って、音源で音楽を聴きながら、色々思いを巡らせてみるに、あー。ああいう風景、いっぱい無くなっちゃった…。あー。子供時代、終わっちゃった…。という感情を想起されていたのかなぁと。そしてタイトルに「確かな日々」とついていた事にも一人頷いております。そう。あの頃の風景の中で過ごしていた日々は毎日とても「確か」だった…。音源で聴いても良い曲ですが、生で聴けて本当に幸せでした。
こちらは2017年のモノ↓
こちらも2017年のモノ↓ですが、アレンジが全然違う~♡
華やかバージョン♡これも生で聴きたいやつ!あ~。同じ曲でも毎回違うんじゃ毎回聴きに行くしかあるまい!(笑)
まとめ
ここにまとめた印象に残った演奏以外にも、ハッとする演奏箇所が沢山あったのですが、1曲1曲区切ってなかったり、アレンジがあったり、どの曲のどこに感動したのかよく分からないものがワンサカ。とにかく、とても素晴らしい時間でした!これからも注目していきたいと思いました!
ちゃんとしたライブレポートはこちらで(笑)↓