一か月ちょい前くらいに、こんな記事を書いていました。
ハイレベルな中学校に通っている生徒さんの成績がダラダラと下がっていっているので、これからどうしたらよいか、本人やお母さまと話し合った話でした。
個別でレッスンをする場合は、生徒さん本人と講師が車の両輪のように一緒に回っている状況が好ましいです。講師だけが一生懸命回っていても空回りするだけだからです。逆に、生徒さんが一生懸命回る気満々なのに講師の方の動きが鈍いと、これまたちっとも前に進みません。
話をした後、生徒さんのやる気はしっかり満ちているようでした。
● 宿題の提出期限より前に宿題が提出される。
● 宿題の字が超キレイ。(慌てていい加減にやった時の字は全く読めない事が多かった)
● 宿題の間違いが少ない。
よし!!!
こうなると、レッスンもスムーズ。基本的な事は、もうレッスンの前に把握できている感じですからね!準備したことをしっかりこなしてレッスン終了。
よし!!!
もともと勉強が出来る子で、短期記憶の力は抜群。やる気になったらすぐに覚えられるのです。でも、応用はやっぱり苦手なので、そこを強化していこう!と、既習の文法事項の大学入試センター試験用に出てくるレベルの問題集から抜粋して宿題に出してみました。
しかし、これは、予想していたとはいえ、ビックリするくらい撃沈。宿題で丸付けしている段階で、全く分かってないだろうなぁというのがヒシヒシ伝わってきた。レッスンで、その「分かってない」だろう所をしっかりやらなくては!と簡潔で分かりやすい説明を考えて、練習のための例文も考えて(準備に恐ろしい時間がかかりました)レッスンにいったのだけど、レッスン中に寝落ちされました←
サシでレッスンしてるのに目の前で寝落ちされる
何度かありますけど。
結構辛いです(笑)。
家に帰って考えました。
本人のやる気はあったはずだ。
なのに寝落ちさせるとはどういうことや。
私のレッスンがダメってことでしょう?
両輪となるべき私のレッスンの方がイマイチで足を引っ張っちゃぁ、本人のやる気出させた意味ないじゃん!
ということで、レッスンを根底から作り直すことにしました。
まずレッスンで取り上げる内容のレベル。
毎回シビアに問題のレベル査定をする!
急に難しすぎちゃぁ、そりゃ寝るわー!これって当たり前な事なんだけど、結構突っ走っちゃうときがある。毎回、しっかり注意深くレベルの査定をして進んでいかなくてはならない。簡単すぎても難しすぎてもダメなのは講師全員分かってると思うけど、じゃあ、この子にとって「丁度良い問題」はどれなの?と毎回シビアに考えていく必要があるって事。市販の問題集を順番にやっていくだけでは「丁度良い問題」を効率よくやらせることは出来ないんだよね。今回の生徒さんの場合、既習の文法事項が抜けまくってる疑惑があるので、文法書の基本例文をアットランダムに抜き出して英作させるという課題を追加。それにより短期記憶→長期記憶にもっていく算段。そして、宿題やレッスン中で間違えた既習文法事項について簡単な説明をしたプリントを作り、それに関連した例文を英作させるというものも追加。毎週、その子用の復習プリントを作るという事です。
そして、次はレッスンで扱う量。
多すぎちゃダメーーー!!!
これは、もう、絶対です。処理能力を超えた量を与えると寝るのです。あれも、これもやっておきたい!!という気持ちになるのをぐっとこらえて、レッスンでは追い立てる雰囲気を作らないようにする。1秒たりとも無駄にできない状況であったとしても、無意味な時間に思える無駄話をしてみたりする。もちろん、全く集中が途切れずに出来てそうな時は1時間突っ走ってもいいのだけど、人間、調子の悪い時、疲れてる時、色々ありますから。そこは敏感に感じ取ってやる量を調節したいところです。そしてその時は優先順位を間違えない!
もう一つ大切なのは説明するスピードです。
早口で説明しない!
ちょうどその頃バイリンガルニュースで「記憶に残る話し方」といったテーマを取り上げていたんですよね。これだよ!説明しなくちゃいけないことが多いと、どうしても早口になる。でも、そうすると、記憶に残りにくいという事なんですよね。記憶に残らないんじゃ意味がないの!!だから、説明するスピードや口調はとっても大切なんだよね。余裕があるレッスンの時は自然と出来ているんだけど、「あれもこれもやらなくちゃー!」の時も、このことはしっかり頭に入れておく必要あり。
そして最後は作成するプリントについて
見やすさ重視!
折角、大切なことを書いていても、ダラダラ書いたり、見にくかったら読んでもらえないから。B5の紙に、3つ~4つくらいの情報を目安として作る事にしています。情報過多にならず、サクサク進んでいる感をだしたいと思っています。
スッカスカのプリント(笑)。
でも、ストレスないよ~~~、を演出したいのです。
で、最後にはプリント内で扱った例文のテストをつける。
このテストもB5で1枚に収まる量にしたい。全く新しい問題ではないので、ある程度量が多くても大丈夫だと思うのだけど、これより多くなると「こなすこと」に意識が向いちゃって目の前の情報を自分の中に取り込む事が出来なくなる気がするからね。
そして、どうしても説明がややこしくなりそうなものについては、手書きでプリントを作りました。更に大きな文字で手書きって、ずっと印刷された文字を読んでいるより、ちょっとでも記憶に残るかな?という期待からです。手書きものは、二度と同じものを使えないので効率悪いですけどねー。でも、一人一人、毎回、分からないポイントが微妙に違うので結局PCで作っても、その説明のプリントは1回しか使えない、って事がよくあるので、まあ良し。
レッスン中の注意としては
1つの事をダラダラやらない!
レッスン中には、色々な課題を盛り込むことにしました。リスニング数問やって、宿題の直しの大切な所数問やって、ややこしい文法の説明して例文いくつか英作させて、テスト範囲の教科書の大切な所の暗唱少しやって、と目まぐるしいくらいだけど、その方が飽きない。どの課題も「ここが良くなった」「ここがまだ定着してない」というコメントをつけてドンドン終了させていく。レッスンで出来なかったものは宿題。宿題をしっかりやる、というモチベをキープ出来ていれば、こういう方法で全然大丈夫。
と、いう事に注意しながら1か月ちょいかけて期末テストに向けて準備をしたんですよね。私がノータッチで生徒さん本人が自らに課したもの(テキストの本文丸暗記)も含め、とても頑張ってた!のですが、いかんせんテスト範囲が広い!!!周到に準備していたつもりだけど、最後の最後まで全く気が抜けませんでした。
テスト前一週間で「関係詞全部」をおさらいしなければならぬ状況はかなりの地獄でした(笑)。学校でもチラッとやった段階でテストに突入、って感じでしたのでリマインドしておくことが山のようで…。最後のレッスンのための準備には本当に1日がかりでした。午前中3時間、午後4時間。みたいな。
でも、結果オーライ!
R(reading)もG(grammar)も約15点アップした形で90点と96点!
ナイス~~!
因みに、普通の中堅よりちょっと上の高校1年生より速い進み具合。ええ。もちろん、うちの高1の娘より先をいっております。しかも、問題も難しい。でも、平均点は80以上。なんちゅう学校や!
そんな中、結果が残せて本人の自信につながったんじゃないかな!と思います。この調子で頑張っていって欲しいです。次のステップとしては、今の勉強のサイクルを定着させつつ、少しずつ「自分で課題を見つけて勉強する」方向へもっていく。でしょうかね。究極、一人で適切な目標を立てて、そのための計画立てて、実行できれば、良いんですからね。ファイト~!